今回は、初心者向けAIシリーズの第2回です!前回は「AIとは何か?」という基本を押さえました。
今回はその続きとして、AIはどうやって学習するのか?について深掘りしていきましょう。
キーワードは「機械学習」と「ディープラーニング」。
今のChatGPTを始めとしたLLMや自動運転車など、最新技術の裏には必ずこの2つがあります。
AIは“ルールを教えなくても”学べる時代へ
かつてのAIは、人間が「こういうときはこう動け」とルールを細かく教え込むものでした。
しかし現代のAIは、大量のデータを見て自らルールを見つけ出すようになっています。
これがまさに「機械学習(Machine Learning)」という考え方です。
ChatGPTで会話を繰り返していくたびに、相手が求めている情報を予測して回答を合わせていきます。
世界中のパターンを学習しているため、回答で悪さをするのもこの要素です。
機械学習とは?|AIの知能を育てる仕組み
機械学習の基本とは?
機械学習とは、過去のデータを元にパターンや法則を学習する技術です。
画像、文章、数値などさまざまなデータから、AIが「これはこういうものだ」と認識できるようになります。たとえば、
- メールの文面から「迷惑メール」を自動で判別
- 写真から「犬」や「猫」等の写っている内容を見分ける
- 売上データから「来月の売上」を予測する
このように、機械学習は「自身の経験」によって賢くなるAIの学習法です。
3つの学習スタイル|AIのトレーニング方法
機械学習には、大きく3つのタイプがあります
学習の種類 | 学び方 | 活用例 |
---|---|---|
教師あり(人間による答案の入力)学習 | 正解付きのデータから学習 | 迷惑メール分類、画像認識 |
教師なし(人間によるデータベースの入力)学習 | 正解のないデータの中からパターンを抽出 | 顧客タイプ分類、特徴分析 |
強化学習 | 成功・失敗の結果から学習を繰り返す | ゲームAI、自動運転制御 |
それぞれの学習方法が、用途や目的に応じて使い分けられています。
ディープラーニングとは?
AIが“直感”(特徴を自分で探し出す)で理解できるようになる仕組み
人間の脳をヒントにした学習構造
ディープラーニング(Deep Learning)とは、機械学習の中でも特に多層のニューラルネットワークを使って複雑な特徴を自動で抽出・学習する技術です。
これは、人間の脳の神経構造を模した「ニューラルネット」が何層にも積み重なったもの。
層が深くなるほど、AIはより抽象的で高度な情報を理解できるようになります。
ディープラーニングの実例
ディープラーニングの力で可能になったことは、
- 顔写真から本人を正確に識別(顔認証)
⇒写真の組み分けが「人間か否か」から「人間の誰か」を判断可能に - 音声をそのまま文字に変換(音声認識)
⇒事前のデータ入力がほとんど不要に - テキストから自然な文章を生成(ChatGPT)
これらはすべて、「データの内部にある特徴の抽出」をAIが自ら行っているため、人間が細かいルールを教える必要がありません。
機械学習とディープラーニングの違い
機械学習とディープラーニングの違いを簡単な表にして復習してみましょう。
比較項目 | 機械学習 | ディープラーニング |
---|---|---|
特徴抽出 | 人間が設計 | AIが自動で学習 |
適したデータ | 数値、表形式など | 画像、音声、自然言語など複雑なデータ |
モデル構造 | 比較的シンプル | 多層のニューラルネット(深い構造) |
学習に必要な量 | 少ないデータでも可能 | 膨大なデータと高性能な計算資源が必要 |
主な用途 | 分類、回帰、予測 | 画像認識、音声認識、言語モデル(LLM)など |
まとめ
AIが学ぶしくみを理解しよう
現代のAIは、データを“見る”ことで自ら学習する存在へと進化しています。
その学びの基本が「機械学習」、さらに複雑な情報処理を可能にするのが「ディープラーニング」です。
これによりAIは、ルールでは説明しきれない感覚的な判断や認識までこなせるようになりました。
スマホの顔認証や音声アシスタント、ChatGPTのような自然な文章生成も、この進化の成果です。
AIがどのように「賢くなる」のかを理解すると、技術がより身近で興味深いものに感じられるはずです。
次回は、そんなAIの最先端「LLM(大規模言語モデル)」について解説していきます!
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