こんにちは!「0から学ぶAI」シリーズもいよいよ第3回です。
今回は、皆さんが知りたいChatGPTやBard、Claudeなどで話題のAI技術――
「LLM(大規模言語モデル)」について、初心者にもわかりやすく解説していきます。
「なんでこんなに自然に会話できるの?」「LLMって何がすごいの?」
そんな疑問を、この1記事でしっかり解消していきましょう!
LLMとは?
▶自然な文章を理解・生成できるAIモデル
LLMとは「Large Language Model(大規模言語モデル)」の略称です。
簡単に言えば、大量の文章を読み込んで“ことばの意味や使い方”を学んだAIのことです。
例として、
- ChatGPTに質問したら、人間らしい自然な言語返答が返ってくる
- 長文の文章を要約してくれる
- 文章の続きを書いてくれる
こうした「人間のような言葉の理解と表現」は、すべてLLMによって可能になっています。
LLMのすごさはただの文章生成だけではない!?
一見、LLMは「単に文章をつくるAI」に見えますが、実はその実力はもっと深いです。
LLMができること
機能 | 具体的な例 |
---|---|
質問応答 | 「AIとは何?」→自然な解説が返ってくる |
要約 | 長文の文章を一文でまとめる |
翻訳 | 英文 → 日本語 などの変換がスムーズ |
創作 | 詩・小説・キャッチコピーの自動生成 |
プログラミング | コードの生成、デバッグ支援など |
こうしたマルチタスク性は、従来のAIにはなかった汎用性と柔軟性の表れです。
LLMはどうやって学習するの?
① 学習するデータは「ネット上の文章」
LLMはインターネット上に存在する膨大な文章(ニュース、Wikipedia、小説、会話ログなど)を使って、「言葉と言葉のつながり」を学ぶことによって、文章の意味や文脈を理解できるようになります。
② 自己注意(Self-Attention)機構
LLMの核は、Transformerという構造にある「Self-Attention(自己注意)」という仕組みです。これにより、
- 長い文章の中で、どの単語がどこに関係しているのかを見極められる
- 単語の位置関係や文脈を把握できる
結果として、自然で一貫性のある(人間と近しい)文章を書けるAIが生まれました。
従来のNLP(自然言語処理)との違い
項目 | 従来のNLP | LLM(大規模言語モデル) |
---|---|---|
処理できる内容 | 限定的(翻訳だけ、分類だけなど) | 幅広いタスクに対応(意訳を含めた翻訳・要約・創作) |
文脈理解の範囲 | 短文・単語ベース | 長文・複雑な文脈を理解可能 |
特徴量の設計 | 人が決める必要あり | AIが自動で学ぶ |
モデルサイズ | 小規模(数百万パラメータ) | 大規模(数十億〜数千億パラメータ) |
LLMの今後と課題
LLMは万能ではありません。以下のような課題も抱えています:
- 事実と異なる情報を生成する(ハルシネーション)
- 学習後の新しい情報を知らない(知識の更新が難しい)
- 処理コストが非常に大きい(環境負荷や計算資源)
今後は、より正確な情報を扱えるようにする工夫(例:検索連携やRAG)や、
軽量・高速化したLLM(小型化モデル)の開発が進むと期待されています。
まとめ
LLMとは“言葉を理解する、現代的におけるAIの大ブレイク”
LLMは、これまでのAIとは一線を画す、言葉を深く理解し、人間のように生成できるAIモデルです。
従来のNLP技術よりも広範で柔軟な処理が可能となり、ChatGPTや翻訳AIの中核技術として世界中で注目されています。これを可能にしたのは、大量の言語データ・高性能な計算能力・そしてTransformerという革新技術です。
今後、LLMは教育、医療、法律、クリエイティブなど多様な分野に広がっていくでしょう。
次回は、そんなLLMを支える「Transformerとは何か?」について、さらに詳しく見ていきます。
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