夏タイヤと冬タイヤなど、自分で変えられたら予約や待つ必要ないし、安くすむし。と、思ったことありませんか?実際、自分で交換する人も少なくはありません。
しかし、ネット上ではタイヤ交換を自分ではやらない方がいいや危険などといった意見もあります。この記事では、自分でやるのは本当に危険なのか、正しい方法や費用などについて解説していきます。
タイヤ交換の方法は?
タイヤの交換には、自分で交換する方法と店舗で行ってもらう方法があります。自分で行う場合にはタイヤ代のみ(工具がすでにある場合)に対して、持ち込みは以下の費用になります。ディーラーでは保証や製品規格など、相場が高くなりやすいです。
ディーラー(整備工場) | 4,000〜13,000 |
ガソリンスタンド | 2,000〜6,000 |
タイヤ専門店 | 3,000〜7,500 |
カー用品店 | 3,000〜7,500 |
タイヤ(ホイール)交換を自分では危険?
正しい方法ならメリットのみ
タイヤ交換を行うには正しい方法・手順・道具を必ず守る必要があります。タイヤ(ホイール)は車と地面を繋ぐ唯一に箇所であり、間違えた方法でタイヤ交換を行うとデメリットが大きいです。
交換方法を間違えるとどうなる?
先ほど説明した通り、タイヤは車を支える唯一のポイントになるので、交換を間違えてタイヤに不具合があった場合には、車の制御が効かなくなったりタイヤが外れたりと、大事故につながる可能性があります。不安な場合には、店舗でプロに任せるのが安心です。
よくあるミス①:ナットの取り付けトルクが間違ってる
ナットの取り付けトルクが間違っているとは、タイヤを取り付けるためのナット(ネジのようねパーツ)を締めすぎまたは緩すぎる状態です。取り付けが緩すぎると走行中の振動でナットが緩み、タイヤが外れる可能性があります。
逆にナットを締めすぎると何が悪いの?と思うかもしれませんが、強い負荷がかかりハブボルトが急に折れる可能性があります。ハブボルトが折れるとタイヤの留めつけがなくなるので、この場合もタイヤが外れる可能性が出てきます。
よくあるミス②:場所やパーツの間違い
ホイールやタイヤを取り付ける際に、取り付けるべきタイヤや場所を間違える人なんているの?と思うかもしれませんが、実際にいるのが現状です。タイヤの交換には車種ごとに適切なタイヤの規格と取り付けの知識が必要になります。
タイヤ規格の確認方法
タイヤサイズはタイヤの側面に表示されていて、工具等は必要なく確認できます。タイヤの側面に書かれている英語はメーカー名と商品名、数字がタイヤサイズになっています。
横に書かれている英数字は「(1)タイヤの横幅/(2)扁平率/(3)タイヤの構造/(4)タイヤの内径(ホイールのサイズ)/(5)最大荷重/(6)最大速度」の順番で記載されています。例えば、ヤリスでは「185/60R15」で記載されています。
(1)タイヤの横幅
タイヤの穴じゃない方からみた横幅のmm寸法です。横幅が大きい方が地面との設置面積が広いので安定性が向上しますが、ホイールの幅に合わせて選択してください。
(2)扁平率
扁平率は円形がどれだけ潰れているかの割合で、タイヤの段面積を見た時に(1)横幅に対する高さの割合を数値化しています。タイヤの高さ÷タイヤ幅×100で求めることができます。
どれだけタイヤが潰れているかの割合で、数値が低いほど低扁平率(断面の薄い)タイヤでスポーツ性能が高く、数値の高いほどタイヤ(ゴム)の断面積が分厚く道路の振動を吸収するため、乗り心地が良くなります。
(3)タイヤの構造
現在の車は基本的にラジアル構造を示す”R”の記号がついています。そのほか、バイアスやベルテッドなどの構造記号がついている場合もあります。
(4)タイヤの内径(ホイールのサイズ)
タイヤの内側の直径のインチ寸法になります。例えばヤリスは15なので、15インチ(381mm)の内径であることがわかります。ホイールにタイヤをはめ込む部分での直径(リム径)なので外側からでは測れないので、規格を見てください。
(5)最大荷重
タイヤ一個あたりが支えることのできる最大荷重になります。例えば92の場合には630kg/1個支えることができるので2,520kgまで支えることができます。最近の車は1,500〜2,200kgの車重が多いので、そこから乗員や荷物などを含めて規格が計算されています。
(6)最大速度
タイヤが耐えられる最高速度です。最低で時速120kmですので法定速度を超えることはありません。元々は240km/hを最大としていたため、記号と数値が前後します。
速度記号 | L | Q | S | T | H | V | W | ZR※ | Y |
最高速度(km/h) | 120 | 160 | 180 | 190 | 210 | 240 | 270 | 240km/m以上 | 300 |
タイヤ(ホイール)交換に必要な道具は?
タイヤ交換を行うためのホイールの交換でも最低5つの工具が必要になります。そのほか、インパクトドライバーなどがあると作業が快適に進みます。また、各工具には対応できるサイズや荷重があります。値段だけで選択し、死亡事故の事例もあります。必ず適切な工具を使用してください。
種類 | 価格 | 使用用途 |
輪止め | ¥1,500〜 | 車体が動かないように固定する道具 |
ジャッキ | ¥8,000〜 | 車体を浮かせるための道具 |
ジャッキスタンド | ¥3,000〜 | 車体を浮かせた固定する道具 |
クロスレンチ | ¥1,300〜 | ナットを締めたり緩めたりする道具 |
トルクレンチ | ¥4,000〜 | ナットを本締めする道具 |
合計金額が約17,000〜となりますが、初期投資ですので2回タイヤ交換を行えば元を取れる金額になります。
タイヤの装着はプロに任せて!
タイヤをホイールへ装着・取り外しには専用の機械が必要になり、一般工具での取り付けはできません。タイヤ内にガスを充満させ着火することで空気膨張を発生させる方法は、絶対に行わないでください。正しい知識があっても危険な行為です。
ホイールの取り付け方法
タイヤ装着済みホイールの交換手順を紹介していきます。再度ですが、それぞれ手順と注意点を確認して事故が起こらないように安全を徹底してください。車の足回りは非常に汚れるので、軍手など手袋を用意しておきましょう。
1.タイヤに輪止めを当てよう
まず、車を水平な地面へ停車してください。地面に勾配があると工具の効果が発揮されず事故につながる場合があります。停車後、タイヤに輪止めをかけて車が動かないように固定してください。
2.ホイールのナットを緩よう
タイヤが地面に設置して荷重がかかっている状態でホイールのナットを緩めます。交換する1箇所のホイールだけで、4箇所全てのホイールは緩めないようにしてください。
3.ジャッキで車体を持ち上げよう
ジャッキを使用しますが、車種ごとにジャッキアップポイントが決まっているので必ず確認してから作業を行ってください。適切なポイントでジャッキアップを行わないと車体が歪んだり、作業中に車体が落下してくる恐れがあります。
4.ジャッキスタンドを入れよう
持ち上げた車体の下にジャッキスタンドを入れて安定させます。車種ごとに必要な耐久荷重や個数が変わってきますので、車の荷重とジャッキスタンドの最大荷重を確認してから作業に臨むようにしてください。スタンドがズレたり折れたりすると、車体落下の可能性があります。
5.ホイールナットとホイールを取り外そう
車体が浮いている状態で、先ほど緩めたホイールナットを取り外しホイールも取り外します。ナットは無くさないようにケースで保管し、ホイールは重量があるため注意して取り外してください。
6.ホイールを取り付けてナットを仮り締めしよう
交換する新しいホイールを取り付けます。この時、地面(キャリパー)に対して水平にホイールを持ちしっかり奥まではめ込むようにしてください。ホイールの取り付け後、ナットを仮り締めして車から外れないようにします。仮り締めなので強く締めすぎないことに注意してください。
7.車体を下ろしてナットをトルク値まで締めよう
ジャッキスタンドを外して車体を地面まで下ろしていきます。その後、仮り締めしたナットをトルク値まで対角線の順番で締めていきます。トルクレンチは規定のトルク値に設定し、カチッ音が一度なるまでしめてください。2回以上は締めすぎなので注意して行ってください。
対角線順に締めないとダメなの?
全てのナットが均一の力で留め付けられていないため、果汁によって外れたり折れたりする可能性があります。例えば、5つナットがあるホイールを時計回りに締めた場合には1、2番目が強く締まりすぎ4、5番目が弱く締まり斜めについてしまいます。
タイヤ交換後の注意点
新しいホイールを取り付けたら終わりではありません。車は適切に扱わないと簡単に人の命を奪ってしまいます。正しい確認や保管を行うよにしてください。
軽く走行して取り付けを確認しよう
ホイールを全て交換し終えたら、実際に走行してナットの緩みや取り付けを確認しましょう。大事故に繋がりやすい高速道路やバイパスを避け一般道路を100km程度走行してから、ホイールナットがトルク値通りになっているかを再度確認します。
外したホイールとタイヤを正しく保管しよう
タイヤは使用していなくても徐々に劣化しており、さらに正しい保管を行わないと激しく劣化してしまいます。劣化したタイヤは変形や硬化しており走行中にハンドル操作が効かなかったり、横滑りする危険性があるので使用しないでください。
タイヤをタイヤカバーなしで保管
タイヤのようなゴム製品は空気に触れる酸化と紫外線による劣化が非常に早いです。タイヤを再利用するために、直射日光の当たらない屋内で一個ずつカバーで包んで保管するようにしてください。
ホイールにはめず、重ねて保管
タイヤに荷重や圧力をかけたまま長い間置いておくと、変形や癖がついてしまい使用することができなくなってしまいます。季節に合わせたタイヤ変更は数ヶ月ごとの長期保管になるので、ホイールにはめたりタイヤラックを購入するなどして保管してください。
店舗によっては預けることも可能
タイヤを4つ保管するとなると屋内にそれなりのスペースが必要です。保管場所がない人はディーラーなどに預けることも選択肢になります。店舗によって異なりますが、約¥7,000〜で預けることができるので、気になる方は一度お問い合わせすることをオススメします。
まとめ
タイヤ交換は自分で行うとコストを抑えられますが、正しい方法と工具が必要です。ネットでは自分での交換の危険性も指摘されていますが、正しい手順を守れば大きなメリットがあります。不安な場合は専門の店舗でプロに任せることが推奨しています。
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